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July 13, 2007

「めぐる恋の季節」を肯定する

さて、恋の季節といったらピンキーとキラーズである。


うちのiTunesによると3分14秒。これは「宇宙刑事ギャバン」と同じである。愛ってなんだ? ためらわないことさ。
はるかにイメージしやすい例を挙げると「大きな愛でもてなして」より1秒長い。ずいぶん感じの違う曲になったもんだ。これが8人と7人の違いなのだろうか。

アニメのOPに使われるなら元気系でくるだろうな、というのは予想と呼べないくらい簡単な話。「さらばやさしき日々よ」(『太陽の牙ダグラム』[1981-83]OP)ができる時代でも対象視聴者層でもない。
前クールのOPは辻希美が歌う「ここにいるぜぇ!」だったわけだが、くらべると類似点がある。
まずテンポが速い。どのくらいかというと忙しくてPPPHができないくらい、って基準そこかい。
そしてバックトラックのリズムがいわゆる「裏打ち」・・・だよね? 表で手拍子打っちゃうと違和感が激しいので生℃-uteの時は注意しようと思う。
さらに。
曲の最後に若干切なげな歌詞を持ってきて印象を強めている。「ここにいるぜぇ!」ではメロディーごとそれまで出てこなかったものをいきなり出してきて、初めて聴いた時は驚いたものだが、「めぐる恋の季節」はサビのリピートである。しかし僕には同じ効果をもたらした。巧妙なカムフラージュだな、とすら思わせた。
したがって、僕にとって「めぐる恋の季節」は「ここにいるぜぇ!」の姉妹曲というか、同じ番組で流れることを意識して作られた曲である。

あとは「舞波物語」さんを読んでいただきたい。僕にはこれ以上のものは書けない。迫ることもできない。この更新をやめようかと思うくらいの快い衝撃を受けた。


すでにネット配信中のPV。
簡素なセットはまるで「THE マンパワー!!!」のようだ。あれにはあれなりの意味を感じ取ったことは当時書いた。
今回も、もちろん意味があるととらえる。正誤は別にして。

広めのスタジオに四季を表す4枚の絵が描かれた書き割りが並べられ、℃-uteはその前で歌い、踊る。ということがわかるのは、カメラが引きぎみになるとご丁寧なことに何もないスタジオの白い壁と床を映りこませているからである。
これはセットである、とわざわざ明示することによって、これは虚構である、ということを表現しているように思える。
虚構が強調されればされるほど、℃-uteの実存が浮かび上がってくる。実はその℃-uteも職業として虚像であることを要求される存在(※)であり、これも一つの虚構である。それを頭の隅に置いて見ると、虚構と実存の境界があやふやになって混乱する。「確かならざるもの」を愛してやまない僕にはたまらない。

(※)個人的にそれは気に入らないことではあるけれど、事実は事実として認識している。

四季折々の学園生活。揃いの制服を着る7人は同じ学校の生徒という設定だろうか。ペアないしトリオを組むメンバーは設定上は同学年(そして同クラス)のようだ。
期末テストのシーンがあるということは中学ないし高校だろう。ところが同じシーンで梅田えりか・矢島舞美の背後にある黒板の隅には萩原舞の筆による(あるいは彼女を念頭に置いた)「小学生はまだだよ」という書き込み。ご存知の通り萩原舞は小学生であり定期テストには(恐らく)縁がない。
セットが左右にハケる時にその書き込みは確認されるのだが、技術的あるいは物理的な限界があるのか、ハケの速度は書き込みがなんとか読み取れる程度になっている。それがかえって書き込みをわざと見せているように思えて、意図しないものまで意図しているかのように受け取れるのが面白い。

2コーラスが終わるまでのソロショットは書き割り2枚の間で撮られているし、初回盤付属のDVDに収められたクローズアップVer.では確認できたすべてのカットが2枚バック。ついでにいうと全体ショットで中央に位置する鈴木愛理も2枚の間に立っている。
℃-uteは常に二つの立場や局面や価値観や成長段階の間にいる、という表現かもしれない。大人と子供、公人と私人、虚構と実存・・・。それらの間を行き交い、揺れ動きながら存在する。
あっさりしているようで実に情報量が多く、味わい深いPVである。

足場の固まった、安定したパフォーマンスを評価する向きには物足りなかったり不安定または荒削りであるように思えたりするのかもしれない。
その不安定な危うさ、荒削りであるからこそ伝わる生の息遣いのようなものが、僕の心を捉えて離さない。


ハイテンポで振りも激しい。そんな曲を、℃-uteは歌ってみせるのだ。元々口パクの少なさには定評があるのだが、体力を根こそぎ奪っていくようなパフォーマンスに挑戦し、ブレスノイズがマイクに入るのもおかまいなしで、笑顔まで見せるのだ。
まるで「私たちが歌うために用意された歌を私たちが歌うのってなんて楽しくて幸せなんだろう」といいたげに。
その姿に「そういえばこの子たちは自分たちの歌をもらえない時間が長かった子たちなのだ」ということをあらためて思い出すと、胸が熱くなる。


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Comments

>「さらばやさしき日々よ」
渋い曲をご存知で(笑)。やっぱり世代が近いのかな。

私は通常盤CDを1枚だけ購入予定です<「めぐる恋の季節」。予算確保の目処がつき行きつけの店に予約しに行ったのがフラゲ日前日(マテ)だったので、入手は今週末以降になるんですが。

#何せ私は体力も財力もない人なので。愛だけはあり余ってるんだけどなぁ(笑)。

Posted by: むくやとくまる | July 13, 2007 07:08

リアルロボットブームど真ん中世代ですからねぇ(苦笑)。

仕事も試験もないゲゲゲの鬼太郎のような生活ですから、僕も体力・財力ともにお話にならない状態です。CD買うのにも「お小遣いを貯める」という小中学生レベルのことをやっております。

Posted by: オーガ | July 13, 2007 15:17

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Tracked on July 13, 2007 12:05

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